発達障害・元不登校、大学進学してなんとか生きてます。

中学不登校を経験した発達障害(ADHD)大学生が徒然なるままに綴るブログ。不登校時代や、大学生活について。

中学不登校、高校の選び方

あせりの秋

 入試の天王山、夏休みが終わって、中学生は本格的に進路について取り組みだす時期になりました。

 それと同時に、二学期が始まる秋は学校に行きたくない生徒に苦しい時期でもあります。夏休みが終わり、文化祭や体育祭などのイベント、そして中学三年生には、迫ってくる受験の存在が大きくなります。

 

 ここで学校にいけないと、高校じゃやっていけない。

 そもそも学校に行かないと、高校にも入れない。

 

 行きたい学校がわからない。

 自分がどんな学校に行けるかわからない。

 周りにすすめられた学校のオープンスクールに行ってみたけど、よくわからない。

 

 そう考える方も、少なくないのではないでしょうか。少なくとも私はそうでした。

 まわりの子は、どんどん志望校を決めて、進みたい方向へ向かって進んでいる。自分はいつまでも自分の部屋にいるだけ……。

 そんなあせりを感じている受験生に、私の経験と高校選びのポイントをお伝えしようと思います。

 

高校生になったからといって、無理に頑張る必要はない

 学校の選び方は、たくさんあります。

 将来どんな職業につきたいか、どんなことがやりたいか、といった職業選択を兼ねた選び方。

 学費や家から通えるかどうか、制服が可愛いか、部活動は盛んか、文化祭や体育祭は楽しいか、といった理由でも、選ぶことができます。

 自分の学力で手が届くかどうかも、重要なポイントになります。

 しかし不登校の生徒で一番問題なのは、入学できるかよりも、その学校に通い続けられるかどうか、だと思います。

 この「この学校は、三年間通い続けられる学校か」という視点を持って、学校を選ぶと、入学後も過ごしやすいのではないでしょうか。一つ気を付けなければならないのは、ここでの「通い続ける」は、「三年間無遅刻無欠席で学べるか」ではなく、「三年間、自分のペースで学べるか」だということです。

 不登校を経験すると、心身ともに相当疲弊します。学校にまったく行かない、又は教室で授業を受けていないと、体力はかなり落ちています。また、精神面でも身体面でも、過敏になっていて、疲労を感じやすくもなっています。

 そのまま高校に入学しても、私がそうであったように、きっと周りの子たちとは、基本となる体力や疲労の感じ方のギャップを感じることになります。

 高校に入学したての私は、一日学校に居てから帰宅すると、半分の時間を保健室にいて休んでいても、帰宅後2時間は睡眠をとらないとなにも手が付かないくらい疲れ果てていました。それだけ、学校にいるということは疲れることです。

 朝8時に登校し、四時間授業を受けて、昼休みを過ごして、また二時間の授業。

 それを週に五日、連続で。

 今の自分にできるか考えてみてください。

 ちょっと無理かも、と思った方が多いでしょう。私はそれでいいと思います。今できないからといって、あせる必要はありません。高校に入学してからも、完璧に他の人と同じように登校する必要はないのです。

 一つずつ、階段をもぼるように、自分のペースと、出席日数と相談しながら、高校卒業という目標に向かって進んでいけばいいと思います。

 そしてそれを実現できる学校を、見つけることが、学校選びのポイントになります。

 

3年間通い続けられる学校とは

 では具体的にはどんな学校が通い続けやすい学校なのでしょうか。

 私の考えるポイントは3つあります。

 

・物理的に通学しやすい

・目標を持って通える

・休んでもいい環境がある

 

 一つ目は、説明の必要がないかもしれません。ですが大切なことです。

 高校に進学しても、なんとなく行きたくない日、めんどくさいな、と思う日は出てきます。そこで通学しやすい(家から近い、少し離れていてもアクセスがしやすい)学校を選んでおくと、通学のハードルがぐっと下がります。

 それに通学時間が少ないと、体力や精神の消耗を少なくできますしね。

 

 二つ目は、不登校に関係なくそうだと思います。なぜその学校に通うのか、どんな風に過ごして、卒業する時にどんな人間になっているのか。それが明確であればあるほど、高校生活は充実します。

目標は、大学に進学するだったり、就職だったり、資格や部活動かもしれません。

 もう嫌だ。そう思った時に、心の支えになる目標を持てる学校の方が、前を向きやすいです。

 私の高校生活の最大の目標は、大学に進学することでした。その目標もなく、ただ周りに勧められるまま進学していたならば、きっと今大学に通っている未来はなかったと思います。

 私の高校生活は、楽しい時間もありましたが、苦しい時間も多くありました。

 どうしても教室に行けなくて学校に着いて五分で早退したこともあります。出席日数が足りず、補習に泣きながら出たこともあります。

 それでも、学校を辞めたいとは思えませんでした。

 どうしても、どうしても大学に進学して、自分の学びたいことを学びたかった。そのためには、高校を卒業しなければならない。

 その一心で、学校にしがみついていました。

 誰もが皆、私と同じことができるとは思いません。する必要もないと思います。

 私はただ、苦痛と、自分の夢とを天秤にかけて、夢をとったにすぎません。無理に苦痛を味わう必要はないんです。

 それでも、苦しいときに、「○○のために」と思える何かがあることは、強みになります。

 

 三つ目。これが一番大事なことです。前述したように、いきなり完璧に学校に通えるようになることは、残念ながら難しいです。

 そこで学校で必要になるのが、つらい、と思った時に逃げ込める場所です。

 学校によって違うと思いますが、保健室や相談室などがあると思います。最近では、大抵の学校に相談室があるがあるかと思いますが、有効に活用されているかどうかは、それこそ学校によってまちまちです。そういった場所がきちんと確保されている学校を選ぶことが望ましいと思います。

 また、これは入学前だと判断しづらいのですが、理解のある先生のいる学校だと、学校が過ごしやすくなると思います。

 私は、担任の先生がとても理解のある先生で、時に励まし、時に慰め、私が(無理だ)と思ったときは決して無理をさせない、神のような先生でした。正直なところ、こんなに生徒の気持ちや体調を気にかけて、寄り添ってくれる先生は、世の中にそう多くないと思います。これは私が恵まれていたということに他ならないので、必ずだれにでもあてはまるわけではないのですが、世の中にそんな人もいるいう可能性はあるという点で参考にしていただければと思います。

 先生とのめぐりあわせは、運の要素が強いとは思いますが、いい先生と巡り合える可能性をあげることはできます。

 その方法とは。

 当たり前かもしれませんが、不登校の生徒の受け入れの実績がある学校を選ぶに越したことはありません。

 不登校の生徒の前例がある学校は、やはり先生の理解度が違います。対応も、やはり慣れています。

 いい先生との出会いのために、実績のある学校を選ぶことは、価値のある判断だと思います。

 

まとめ

  • 高校は「通いやすい」学校を選ぶ
  • いきなり頑張らなくてもいい。次のワンステップを見つける気持ちで探す
  • 不登校の生徒に慣れている学校を見つける

 

 最後に、こんなことを、これから一歩進もうとしている人に伝えることではないかもしれませんが、高校は、人生のたくさんの選択肢の中の一つでしかありません。選んでも、選ばなくても、生きていけます。また高校で学べることは、いつでも学びなおすことができます。

 この記事を読んでいる人が、今の自分に必要な選択を。これからの人生が豊かになる選択をできることを、祈っています。